遺産相続相談、遺産分割相談、遺産相続税相談、相続税還付相談、相続税試算相談など遺産相続のお悩みを解決する相続税専門の長嶋佳明税理士事務所。

長嶋佳明税理士事務所
相続専門FPの税理士長嶋佳明が語る『お金』事情

【遺産相続税相談】祖父名義の相続財産についての遺産分割


先日、次のような遺産相続に関するご相談がありました。
なお、家族構成などその他の内容について、実際のものに修正を加えています。

 

【ご相談内容】
先日、母が亡くなりました。
相続財産としては、自宅の土地・建物、預金があります。
相続財産を調べていくと、自宅の土地・建物の名義が母方の祖父の名義のままになっていました。
このとき、遺産分割はどうすれば良いのでしょうか?

 

【祖父様の相続について、相続手続きが終了しているかの確認】
まずは、祖父様の相続について、相続手続きが終了しているのかどうかの確認が必要になります。
土地・建物が祖父様名義になっている理由が、
・遺産分割が終了し、単に名義変更をしていない
・そもそもの遺産分割が終了していない
によりまして、今後の手続きが異なります。

 

【遺産分割が終了しているとき】
祖父様の相続について、遺産分割が終了し、単に名義変更をしていないときは、遺産分割の内容の通りに名義変更をすれば、問題ありません。
土地・建物をお母様が相続されているのでしたら、土地・建物はお母様の相続について、相続財産になります。

 

【遺産分割が終了していないとき】
祖父様の相続について、そもそも遺産分割が終了していないときは、今から祖父様の相続について、相続手続きを終了させる必要があります。
もし、亡くなられたお母様にご兄弟がいらっしゃるときは、遺産分割協議をする必要があります。
この遺産分割協議で、お母様のご兄弟が自宅の土地・建物を相続することになったときは、土地・建物はお母様の相続財産ではありません。

【相続税の申告】最大250万円の相続税の節税:相続財産の現地調査・役所調査


相続税の申告書の作成の依頼を受けているお客様について、先日からたびたび現地調査についてご紹介をさせていただいております。
通常、現地調査を行った後、役所へも調査に出かけます。
役所への調査をする理由は、現地調査をした結果、不明点などを確認することにあります。

 

【役所調査により、最大250万円の相続税の節税】
ブログで既にご紹介した以外の土地について、先日、この不明点などの確認のため、役所に行ってきました。
確認する事項は、役所の担当する課へそれぞれ訪問して確認します。
確認事項が多ければ、役所の中をぐるぐると一周して、一日がかりになることもあります。
また、役所も1つではなく、2つ以上訪問することもあります。

不明点などを確認した結果、土地の評価額を500万円程度下げることができました。
相続税にすると、
・相続税の税率が50%の方ですと、250万円
・相続税の税率が10%の方ですと50万円
の節税
になりました。

 

【相続税は、計算をする税理士が違えば数千万円変わってきます】
相続税は、計算をする税理士が違えば数千万円変わるという理由は、まさにこのことです。
今回の役所調査で、土地の評価額は500万円という小さな金額しか下がりませんでした。
もし、これが1000万円の土地の評価額が下がるとすれば、
・相続税の税率が50%の方ですと、500万円
・相続税の税率が10%の方ですと100万円
の相続税の節税になります。

今回、一つの土地の現地調査・役所調査で、250万円や50万円の相続税の節税になりました。
このような土地が、2つや3つありますと、それだけで1000万円単位で相続税が変わってきます。

 

【相続を専門とする税理士の判断基準】
相続を専門とする税理士は、少しずつ増えてきております。
看板は「相続専門」だったとしても、このような現地調査・役所調査を行っていない方も多数おられます。


相続税を少しでも減らすため、相続を専門とする税理士に相続税の申告を依頼するときは、現地調査・役所調査を行っているかどうかが、一つの判断基準になると思います。
現場の土地を一つ一つ見て回り、かつ、役所も2つ3つ訪問するなど、手間暇を非常にかけています。

逆に、とにかく費用を安くすることが目的でしたら、このように手間暇をかけている税理士はお勧めしません。

 

【お客様に大変喜んでいただけました】
土地の評価額が500万円下がり、相続税の節税になったことを、お客様に報告させていただいたところ、非常に喜んでくださいました。
また、報告をした日に、相続税の概算についての中間報告をさせていただきました。

すべての相続財産について、一つ一つどの財産がいくらの評価になっているのかをご説明させていただき、
相続税についても、それぞれの相続人がいくらの納税なのか、そして、その計算根拠を一つ一つご説明させていただきました。

また、将来の次の相続について、相続税の節税のお話もしてきました。
こちらのお客様とは、長いお付き合いになりそうです。

【遺産相続税相談】成年後見人は、相続放棄をすることができますか?


先日、次のような遺産相続に関するご相談がありました。
なお、家族構成などその他の内容について、実際のものに修正を加えています。

 

【家族構成(相続人)】
ご相談者Aさん、兄、姉、弟

 

 

【ご相談内容】
先日、父が亡くなりました。
弟は障害を持っており、兄が成年後見人になっています。
父の相続について、事情があり、弟は相続放棄をしたほうが良いと、兄と姉との間で話がまとまりました。
このとき、弟は相続放棄をすることができるのでしょうか?

 

 

【相続放棄をすることはできますが、代理人を立てる必要があります】
結論から申し上げると、弟様は相続放棄をすることができます。
ただし、家庭裁判所で特別代理人を選んでもらう必要があります。

 

 

【成年後見人は代理人です】
成年後見人は、判断能力のない方に代わって、物事を判断する「代理人」という立場になります。
弟様が相続放棄をするときは、成年後見人であるお兄様が、相続放棄をするかどうかの判断を行います。

 

 

【相続放棄の判断は、家庭裁判所が選んだ特別代理人が行います】
しかしながら、お兄様も弟様も同じ「相続人」という立場です。
もし相続放棄をしますと、お兄様にとって利益になると同時に、弟様にとっては不利益になります(利益相反行為)ので、家庭裁判所へ申し出て、特別代理人を選んでもらう必要があります。
家庭裁判所が選んだ特別代理人が、弟様について、相続放棄をするかどうかの判断を行うことになります。

【遺産相続税相談室】親の介護をすれば、遺産相続で有利になるのか?


遺産相続に関するご相談で、最近特に多いと感じるのは「親の介護をした」というものです。
遺産相続に関するご相談を受けて感じるのは、「親の面倒をみた相続人は、相続のとき、面倒をみなかった他の相続人よりも、有利であるべき(多く遺産を相続できる)」という考え方です。
法律(相続法)や家庭裁判所の解釈は、「親の面倒をみた相続人と面倒をみなかった相続人の権利は平等である」としています。
そのため、「介護をしたことについて、それを認めない法律(相続法)や家庭裁判所の判断はおかしい」と考える方が多いようです。

 

【親の面倒をみた相続人は、相続のとき、遺産を多く相続するべきなのか?】
古いデータではありますが、昭和61年9月に内閣府政府広報室が調査をしました「長寿社会に関する世論調査」 というものがあります。
質問の12番目に次のようなものがあります。

Q12 一般に,年をとった親の面倒をみることと遺産の相続について,どのように思いますか。この中ではどうでしょうか。
 (ア)     親の面倒をみる子供だけが相続する
 (イ)     親の面倒をみる子供が多く相続する
 (ウ)     親の面倒をみる,みないにかかわらず,均等に相続する
 (エ)     親の面倒をみる,みないにかかわらず,家を継ぐ子供だけが相続する
 (オ)     親の面倒をみる,みないにかかわらず,家を継ぐ子供が多く相続する
       その他
        わからない



その回答結果は、次のようなものになりました。
 (ア)     親の面倒をみる子供だけが相続する→19.3%
 (イ)     親の面倒をみる子供が多く相続する→38.9%
 (ウ)     親の面倒をみる,みないにかかわらず,均等に相続する→19.5%
 (エ)     親の面倒をみる,みないにかかわらず,家を継ぐ子供だけが相続する→5.1%
 (オ)     親の面倒をみる,みないにかかわらず,家を継ぐ子供が多く相続する→8.0%
        その他→0.6%
        わからない→8.6%


このようなデータからも、「親の面倒をみた相続人は、相続のとき、面倒を見なかった他の相続人よりも、有利であるべき(多く遺産を相続できる)」という考え方はあると思います。

昭和61年当時ですので、まだ「家督相続」という考え方が残っていた時代だと思います。
現在では、(エ)と(オ)の比率が大きく下がり、(イ)と(ウ)の比率が高まっているように想像します。

 

 

【親の面倒をみた相続人は「損」、面倒をみなかった他の相続人は「得」!?
「親の面倒をみた相続人は、相続のとき、面倒をみなかった他の相続人よりも、有利であるべき(多く遺産を相続できる)」という考え方から、次のような声が多いように感じます。
・介護をしたことについて、それを認めない家庭裁判所の判断は、おかしい
・親の面倒をみた相続人と面倒をみなかった相続人の相続の権利(法定相続分)が平等というのは、納得できない


極端な話になりますが、相続の権利が同じであれば、
・親の面倒をみた相続人は「損」
・面倒をみなかった相続人は「得」
という解釈になっても致し方ない
ところだと思います。

ご相談者さんの口から、このような言葉で出てくることが、多々あります。
そして、実際の相続の現場で接しているからこそ、このような国民感情と法律(相続法)の解釈が合わないことに心苦しさを感じます。



なぜ、国民感情と法律(相続法)の解釈が合わないのか?
親の面倒をみた相続人について、面倒をみたことについて、何か有利になる方法はないのか?
何回かに分けて考えていきたいと思います。

【遺産相続税相談】相続した実家を売却したときのマイホームの3000万円特別控除


先日、次のような遺産相続に関するご相談がありました。
なお、家族構成などその他の内容について、実際のものに修正を加えています。

 

【ご相談内容】
先日、父が亡くなりました。
相続人は、私(ご相談者Aさん)だけです。
父が住んでいた自宅(土地と建物)を相続しました。
父が住んでいた自宅を売却をした場合、マイホームの3000万円特別控除を受けることができるのでしょうか?

なお、私(ご相談者Aさん)は、結婚をして子供がおりますので、実家を離れてマイホームを購入して生活をしています。

 

【マイホームの3000万円特別控除はご自身が住んでいることが条件です】
マイホームの3000万円特別控除は、
・ご自身が住んでいる
・以前、ご自身が住んでいた
ことが前提条件
です。

ご相談者Aさんは、ご自身でマイホームをお持ちですので、マイホームの3000万円特別控除の適用を受けることができません。

 

【マイホームの3000万円特別控除とは?】
マイホームを売却したとき、売却益から3000万円を控除することができる特例です。
つまり、マイホームを売却して利益が出たとしても、3000万円までは所得税がかからないことになります。

【遺産相続税相談】相続財産を調べるには裁判しかないのでしょうか?


先日、北海道にお住まいの方から、次のような遺産相続に関するご相談がありましたのでご紹介します。
なお、家族構成などその他の内容について、実際のものに修正を加えています。

 

【ご相談内容】 
先日、母が亡くなりました。
相続人は、兄と私(ご相談者Aさん)です。
兄は、母の預金通帳などを持っており、私に見せようとしません。
そこで、金融機関に問い合わせをしてみましたが、「個人情報」という理由で教えてもらえません。

このようなとき、相続財産がわかる方法は、裁判しかないのでしょうか?

 

【裁判よりもまずはご自身でできることから】
最終的にわからないということになれば、裁判になるかもしれません。
まずは、裁判を起こす前に、ご自身でできることから始められてはいかがでしょうか。

 

【預金口座の情報は教えてもらえます】
預金口座の明細は、金融機関で教えてもらうことができるようになりました。
2009年1月22日の最高裁の判決で、この判断が示されました。
詳しくは、長嶋のブログをご確認いただけたら幸いです。

その際、相続人であることの証明書類を準備することになります。
この証明書類や必要な書類は、金融機関によって異なります。
必要な書類については、直接金融機関にご確認お願いします。

 

【預金口座の照会を断られた理由】
ご相談者Aさんが、金融機関に問い合わせて「個人情報」とのことで、預金口座の照会が断られた理由。
それは、金融機関の窓口の担当者によってレベルが違うことが原因だと思われます。
窓口に座っているからといって、すべてのことを知っているわけではありません。
特に、相続関係の手続きを知らない方が多いです。
おそらく、この対応してくださった窓口の方は、最高裁の判決を知らなかったのではないでしょうか。

金融機関へは、「相続に関するご相談」として、相続のことがわかる方と電話で話した方が早いこともあります。

【海外相続税対策】海外を利用した日本の相続税対策についてのご質問


先日、海外を利用した日本の相続税対策についてのご質問がありましたので、ご紹介します。
ご質問があった長嶋のブログは、こちらです。

 

【ご質問内容】
長嶋さんのブログに、オーストラリアを利用した日本の相続税対策 について書かれていました。
次のことについて教えてください。
(1)一般には知られていない相続税対策なのでしょうか?
(2)海外の相続税対策を利用すれば、5億円の相続財産が10億円に増えるというのは本当でしょうか?
(3)日本を離れて非居住者になるのでしょうか?
(4)日本の相続税について、脱税にならないのでしょうか?

 

 

【長嶋の回答】
(1)一般には知られていない相続税対策なのでしょうか?
一般には、知られていません。
その理由は、スイスや香港、そしてシンガポールのプライベートバンクが預金口座を開設している方々に提供しているサービスを、長嶋が行っているからです。

なぜ、長嶋がプライベートバンクのサービスを提供することができるのか。
・スイスのプライベートバンカーが長嶋事務所に訪問してくださる関係を築いている
・米国のコンサルティング会社との提携により、香港・シンガポールのプライベートバンクとも関係を築いている
のが、大きな理由です。

スイスのプライベートバンカーをご紹介できる日本の税理士は、全国でも数えるくらいではないでしょうか。
長嶋が直接お客様に、海外を利用した相続税対策のコンサルティングを行うことで、お客様はスイスのプライベートバンクに預金口座を開かなくても、そのサービスを受けることができるのが一番のメリットだと思います。
また、ご希望されるお客様には、サービスの一環として、スイスのプライベートバンカーをご紹介させていただきますので、預金口座を開くことができます。

 

 

そして、このような海外を利用した相続税対策の手法は、日本の信託銀行では、絶対に提供できないサービスです。
なぜなら、日本の信託銀行は、日本の金融庁が認める範囲内のことしかできません。
日本の金融庁の認可を受けていないスイスや香港、そしてシンガポールのプライベートバンクが提供しているサービスを日本では行うことができません。

日本にも外資系の
・シティバンク
・UBS
・クレディ・スイス
・HSBC
などの銀行が国内に支店を出していますが、「日本に支店を出す」ということは、日本の金融庁の認可を受けています。
つまり、看板は外資ですが、その実態は日本の信託銀行と同じですので、これらの外資系の銀行の日本支店に預金口座を持っていてもまったく意味がないのです。

これらの外資系の銀行の日本支店では、日本の金融庁の認可を受けていないスイスや香港、そしてシンガポールのプライベートバンクが提供しているサービスを行うことができないのは明らかです。
実際には、公にされず極秘で行われており、もし金融庁に見つかったら銀行業務停止になる危険性があります。
その前例として、2004年9月にシティバンクの日本支店は、金融庁から営業認可取り消しを受け、日本にあるプライベートバンキング部門はすべて閉鎖することになりました。
営業認可が取り消された理由として、「日本の銀行が行っていないサービスを顧客に提供した」とも言われています。

 

 

(2)5億円の相続財産が、10億円に増えるというのは本当でしょうか?
海外を利用した相続税対策を行うことで、可能です。
この場合の5億円とは、日本の相続税を払う前の相続財産です。
また、この場合の10億円とは、日本の相続税を払った後の相続財産です。

従来の日本の相続税対策では、不可能です。

なぜ、従来の日本の相続税対策では不可能なのか。
従来の日本の相続税対策は、「日本の相続税を減らす方法」を考えます。
しかしながら、海外を利用した相続税対策は、「相続財産そのものを減らさない方法」を考えます。

つまり、
・従来の日本の相続税対策(相続税を減らす)
・海外を利用した相続税対策(相続財産を守る)
は、目的が違うので、その手法がまったく異なります。

 

日本の法律・制度の枠内だけで「相続税」を考えていては限界があります。
その限界とは、必ず資産が減ってしまうということです。

ご先祖様が残された資産の5億円、あるいは、ご自身が苦労して築かれた資産の5億円を、
・日本の相続税対策により、資産を25%減らして、3.75億円にしてしまうのか?
・海外の法律・制度を利用して、資産を2倍の10億円に増やすのか?


皆様は、どちらをお選びになりますか?


従来から行われている「日本の相続税対策」という考え方が時代遅れになっている理由は、こちらの長嶋ブログをもう一度ご確認いただけたら幸いです。

 

 

(3)日本を離れて非居住者となるのでしょうか?
最近の相続税の節税本には、「相続税対策には、海外を利用しましょう」というものが少しずつ増えてきています。
その中には、「非居住者になりましょう」というものもあります。
非居住者になるとは、簡単に、日本国籍を捨てて、海外に移住しましょうというものです。

相続税の節税が最優先という方であれば、非居住者になることも選択肢に含まれてくると思います。
しかしながら、相続税の節税のためとはいえ、長年住み慣れた日本を離れて生活することに抵抗がある方も多いように思います。


長嶋が行う海外を利用した相続税対策は、お客様はそのまま日本に住み続けていただけます。
つまり、日本国籍を持って、そのまま日本に住んでいただけます。
いつでもお孫さんに会うこともできますし、大好きな温泉旅行にも行っていただけます。
今までと変わらない生活を過ごしていただけます。
 

 

(4)日本の相続税について、脱税にならないのでしょうか?
海外を利用した相続税対策とはいえ、日本の相続税はしっかりと納めていただきます。
したがいまして、日本の相続税の脱税は一切ございません。

この海外を利用した相続税対策は、スイスや香港、シンガポールのプライベートバンクが預金口座を開設している方々に提供しているサービスと同じものです。
スイスの大手銀行であるUBSが脱税を指南していました が、長嶋は、日本の税理士という立場から、脱税を勧めることは一切ございませんので、ご安心ください。
脱税行為になりますと、お客様にご迷惑をおかけすることになりますし、長嶋自身も、税理士資格がはく奪されます。

長嶋の相続税に対する考え方は、「相続税を払う必要はありますが、余分な相続税は払う必要がない」です。
また、「相続税を節税するよりも、相続財産を守ることの方が大切」だと思っています。
海外を利用した相続税対策ではありますが、すべて合法的に行われるものです。

【相続税の申告】固定資産税の削減、相続財産の現地調査:大阪府


相続税の申告書の作成の依頼を受けているお客様について、先日、相続財産の現地調査のため大阪府に行ってきました。
相続財産の現地調査とは、不動産など、実際に現場を見に行くことです。

相続のお仕事がなければ、おそらく訪れることはない土地だったと思います。
このご縁に感謝します。


なぜ相続財産の現地調査をするのか?については、以前の長嶋ブログをご確認いただけたら幸いです。

 

【相続人の方のお話では駐車場のはずが、登記簿では店舗が建っています】
相続人の方のご自宅から遠く離れた場所に、駐車場があるとお聞きしていました。
しかしながら、登記簿謄本(登記事項証明書)を見ると、「店舗」が建っていることになっていました。

相続人の方のお話と登記簿謄本(登記事項証明書)の内容が合わないので、実際に現場を見に行きました。

 

 

【現場は確かに駐車場になっていました】
実際に現場に行くと、相続人の方のおっしゃるように、確かに駐車場になっていました。
コンクリートで舗装され、塀も作られている立派な駐車場です。

 なぜ、登記簿謄本(登記事項証明書)には「店舗」と書かれているのでしょうか。

 

 

【建物を取り壊したことを法務局に届け出をしていなかった】
相続人の方のお話では、以前その場所にあった「店舗」を取り壊したそうです。
整地をして、5年以上前から駐車場として、その土地を利用していたそうです。
また、駐車場の収入は「不動産所得」になりますので、所得税の確定申告もされていました。

ところが、「建物を取り壊した」ことを法務局に届け出をしていなかったのです。

 

 

【固定資産税をムダに払っていることに・・・】
土地・建物に対する固定資産税は、原則として、登記簿謄本(登記事項証明書)に書かれている物について、課税されます。
「建物を取り壊した」ことを法務局に届け出をしていないので、その取り壊した建物は登記簿謄本(登記事項証明書)から消えていません。
つまり、相続人の方は、本当は払わなくてもよい固定資産税を、「建物を取り壊した」ことを法務局に届け出をしていないことで、払い続けていたことになります。

 

 

【建物を取り壊したときは、法務局に届け出ることが必要です】
「建物を取り壊した」ことを法務局に届け出ることで、登記簿謄本(登記事項証明書)からこの「店舗」は消えることになります。
つまり、相続人の方は来年から、この店舗に対する固定資産税は払わなくても良いことになります。

 

 

【過去に払い過ぎていた固定資産税は取り戻せるのか?】
過去に払い過ぎていた固定資産税はどうなるのでしょうか?

固定資産税の時効は、5年と定められています。
つまり、過去5年分の固定資産税は取り戻すことができます。

しかしながら、5年以上前から駐車場にされているので、5年を超える部分は取り戻すことができません。

この、課税の誤りについて、市町村側のミスであれば、10年や20年前など、5年を超える固定資産税を取り戻すことができます。
今回のケースは、相続人の方のミス(「建物を取り壊した」ことを法務局に届け出なかった)ので、5年分しか取り戻すことができないと思われます。

 

 

【固定資産税は、不動産を持っている限り、永久に課税されます。】
以上のようなお話を相続人の方にしたところ、「建物を取り壊したことを法務局に届け出てください」とおっしゃいました。
固定資産税は、不動産を持っている限り、永久に課税されます。
もし、毎年10万円の固定資産税の支払いがなくなれば、10年すれば100万円の税金削減になります。
相続税のように今回限りの税金ではないので、その影響は大きいと思います。

 

 

【土地家屋調査士は不動産の専門家です】
「建物を取り壊したことを法務局に届け出る」のは、土地家屋調査士の仕事になります。
いつもお世話になっている土地家屋調査士に依頼をしました。


土地家屋調査士は、建物や土地がどこにあって、どのような形をしているのか、を調査します。
また、測量を行い、図面の作成や不動産の表示登記を行います。
つまり、土地家屋調査士は不動産の専門家なのです。


以前の長嶋ブログで、「不動産鑑定士は不動産の専門家です」とご紹介しました。
不動産鑑定士は、不動産の「価値」を鑑定する専門家です。
土地家屋調査士は、土地の形や面積など、不動産の「実物そのもの」を取り扱う専門家です。

 

「建物を取り壊したことを法務局に届け出る」作業は、「登記」になります。
一般的に「登記」と言いますと、司法書士の仕事というイメージがあると思います。
司法書士の行う「登記」は、所有権などの権利関係の登記です。

一口に「登記」と言いましても、何の登記かを確認しないと、
・司法書士にお願いすればよいのか?
・土地家屋調査士にお願いすればよいのか?
が異なってきます。

 

 

 

【相続専門の税理士はたくさんの専門家とのネットワークを持っています】
遺産相続の手続きは、税理士一人では絶対にできません。
不動産鑑定士や土地家屋調査士に助けていただかなくてはなりません。
「相続専門の税理士」と言うためには、たくさんの専門家とのネットワークを持っていることが、最低条件だと言えると思います。

 

 

【相続財産の現地調査をしたことで、固定資産税の削減につながりました】
相続財産の現地調査をしたことで、固定資産税の削減につながりました。

もし、相続人の方のお話をよく聞くこともせず、現場も見ずに登記簿謄本(登記事項証明書)だけを信じて相続税の申告書を作成しますと、
・取り壊された店舗が相続財産に含められている→余分な相続税を払う
・固定資産税の払いすぎがわからなかった→相続人の方は永久に固定資産税を払う
結果になります。


現場を見ることで、余分な相続税を払わないだけでなく、余分な固定資産税を払うこともなくなりました。

これから固定資産税を払わなくてもよくなっただけでなく、過去5年分の税金も戻ってくる可能性があります。
相続人の方には、大変喜んでいただくことができました。

相続財産の現地調査は、非常に重要なことであることがご理解いただけたことと思います。

【相続税の申告】路線価評価が高すぎる、相続財産の現地調査:京都府


相続税の申告書の作成の依頼を受けているお客様について、先日、相続財産の現地調査のため京都府に行ってきました。
相続財産の現地調査とは、不動産など、実際に現場を見に行くことです。

相続のお仕事がなければ、おそらく訪れることはない土地だったと思います。
このご縁に感謝します。

 

【なぜ相続財産の現地調査をするのか?】
現場がどんな場所かわからないと、相続財産の評価をすることができないためです。
現場へ行って、初めてわかることがたくさんあります。
これは、病院で言うところの「診察」だと思っています。

お医者さんが、患者さんと話もせず、診察もせずに病状を把握できるでしょうか?
いつごろから・どこが痛いのかなど、患者さん本人に聞かないとわかりません。
診察もせず病状を言われたら、患者さんはお医者さんのことを信用するでしょうか?

患者さんは人間ですので、聞けば事情を話してくれます。
しかしながら、不動産は話しませんし、動きません。
したがいまして、こちらから出向いていくしか診察をすることができないのです。
相続税の申告における「診察」は、まさに「現場を見ること」ではないでしょうか。
その診察の結果、病状の判断=「相続税評価額を計算すること」だと思います。
現場にも行かずに、そして実物も見ずに、資料の数字だけで計算した相続税評価額は、信用できるものなのでしょうか? 

 

 

【相続専門の税理士は肉体労働です】
税理士の仕事といいますと、机に座ってペンを持って仕事をしているというイメージをお持ちの方が多いと思います。
先日訪問した遺産相続のお客様も、そのような印象をお持ちでした。

相続専門の税理士は、山・畑・田、そして遠く離れたご自宅・駐車場など現場に行くことが非常に多いです。
スーツでは行けない場所もありますので、スニーカーや場合によっては長靴を履いて現場を見に行きます。
つまり、相続専門の税理士は肉体労働なのです。
相続財産の調査をした日は非常にお天気がよかったので、すっかり日焼けをしてしまいました。

 

 

【路線価評価が高すぎる、相続財産の現地調査をした感想です】
今回、相続財産の現地調査をしてみて、ある不自然さを感じました。
不動産の実物を見て、価値はいくらくらいだろう?という直感と、路線価で評価した価値が異常に離れすぎています。

例えば、長嶋個人の目で見た不動産の価値が5000万円だとすると、路線価での評価は1億円というような状態でした。
あまりにも違いすぎる価値でしたので、いつもお世話になっている不動産鑑定士に、鑑定依頼をしました。

 

 

【不動産鑑定士は不動産の専門家です】
不動産鑑定士とは、客観的に土地や建物の価値を出すことを仕事とされている専門家です。
毎年3月くらいに発表される「公示価格」は、この不動産鑑定士の方が評価額を出しています。
相続税評価をするときの路線価は、公示価格の8割程度の水準になるように設定されています。
つまり、路線価は公示価格を参考にして計算されていると言えます。

そのため、路線価が参考にしている公示価格を計算する不動産鑑定士は、不動産の専門家と言えることができます。
そして、この不動産鑑定士が計算した鑑定評価は、ある程度の説得力があると言えます。

 

 

【不動産鑑定士に依頼することのメリット】
もし、不動産鑑定士による鑑定評価額が路線価評価よりも1000万円下がったとすれば、相続税の税率が50%の方の場合、相続税にして500万円の差が出てきます。
けして小さな金額ではないと思いますし、少々の費用を払ってでも、それ以上に相続税が安くなるのでしたら、その方が良いと思います。
その旨をお客様にお話をしたところ、非常にご納得されましたので、不動産鑑定士に鑑定依頼をしました。
もちろんのこと、不動産鑑定士であれば誰でもよいというわけではなく、相続に詳しい不動産鑑定士に依頼をしています。
 
 

 

【相続税の申告書の作成は職人のような仕事です】
相続財産の一つ一つを現場まで見に行きますので、相続税の申告書の作成は非常に手間暇がかかります。
このように、時間が非常にかかりますので、ある意味職人のような仕事をしています。

長嶋個人的には、相続税を払う必要はありますが、余分な相続税は払う必要がないと考えています。
そのため、相続税の申告書の作成に関しては、お客様には「余分な相続税を1円たりとも払わせない」という考え方をしています。


最近では、相続専門の税理士という看板を掲げている方が増えてきました。
中には10万円や20万円という安価な報酬を提示している税理士もいます。
長嶋は、一つ一つ職人のような仕事をしていますので、とてもではありませんが安価な報酬を提示することはできません。
しかしながら、一つ一つしっかりと見ていくことで、それ以上に相続税を減らすことができる可能性が広がります。
・目先の税理士の報酬が安ければ良いのか?
・税理士の報酬は安くはないが、それ以上に相続税が安くなるのが良いのか?

みなさまは、どちらを選択されますでしょうか。

遺産払い戻し拒否は不当 ゆうちょ銀などに支払い命令 東京地裁


先日、次のような東京地裁での判断が示されました。

 

(6月11日:産経新聞)

遺産払い戻し拒否は不当 ゆうちょ銀などに支払い命令 東京地裁

貯金や生命保険の還付金など遺産の払い戻し請求に応じないのは不当として、相続人の遺族ら3人が、ゆうちょ銀行(東京都千代田区)と郵便貯金・簡易生命保険管理機構(港区)に遺産の払い戻しを求めた訴訟の判決が11日、東京地裁であった。

湯川克彦裁判官は遺族らの訴えを認め、同行などに請求どおり計約4000万円を支払うよう命じた。
湯川裁判官は「遺族らは遺産分割で争っているわけではなく、遺族らの請求に従って法定相続分どおりの払い戻しをするべきだ」と指摘した。

判決によると、同行などは、顧客の女性が平成13年に死亡し、遺族らから法定相続分どおりの遺産の払い戻しを求められた際、「遺言や分割協議で法定相続分とは異なってくる場合があり、後になって異なる額の払い戻しを求められるおそれがある」などとして、払い戻しを拒否していた。

 


 

 【そもそも預貯金は遺産分割の対象にはなりません】
預貯金は、当然に、法定相続分の通りに相続をされますので、遺産分割の対象にはなりません。
これは、裁判での判例で確定しています。

繰り返しますが、裁判での判例において、預貯金は、法定相続人が法定相続分に従って請求すれば、金融機関は払い戻しに応じなければなりません。

 

 

【実務上は法定相続人全員の署名・押印が必要】
ところが、実際の相続の現場では、裁判での判例が無視されています。
通常、各金融機関の払戻請求書に、法定相続人全員の署名・押印が求められます。
したがいまして、一部の相続人が預金を引き出すときは、訴訟を起こさないと難しいのが現実です。

 

 

【金融機関の立場も良くわかります】
金融機関の立場から考えてみます。
確かに、裁判では法定相続分で引き出せることになっているかもしれないが、実務的に後日の相続による争いが起こる可能性が残るのは不安です。

また、「預貯金が遺産分割協議の対象に含まれる可能性があるときは、預貯金の払い戻しを拒否することができる」という判決があります。
裁判の判決においても、相続争いの可能性があるときは、預貯金の払い戻しに応じなくてもよいことが確定しています。
金融機関からすると、このような判決は、実務上、非常にありがたいのではないでしょうか。
 

 

 

【郵便局の定額貯金は引き出すことができません】
銀行などの普通預金などは、訴訟を起こせば、一応は引き出すことができます。
しかしながら、郵便局の「定額郵便貯金」は、引き出すことができません。

郵便局は民営化されましたが、民営化以前の「郵便貯金法」がそのまま引き継がれています。
民営化によって廃止された郵便貯金法7条1項3号に、次のようなことが定められています。

定額郵便貯金は、「一定の据置期間を定め、分割払戻しをしない条件で一定の金額を一時に預入するもの」です。

つまり、「分割による払い戻しをしない」条件ですので、これは、相続のときにも同じことが言えます。
したがいまして、定額郵便貯金だけは、訴訟を起こしても引き出すことができません。
このことについて、東京地裁で現実に判決が出されています。
 

 

【相続人側に立った判決が増えてきています】
今年になり、相続人側に立った判決が増えてきています。
2009年1月22日の最高裁の判決でも、相続人側に立った判断が示されています。

相続がありますと、
・葬儀費用の支払い
・医療費の支払い
・お墓の購入
など、多額の現金が必要です。

相続人にとりましては、本当に助かる裁判所の判断です。
このような裁判所の判断で、多くの方が救われています。
これは、相続の現場に接している者として、痛いほど感じます。

相続人の方を第一に考えますと、金融機関は、もうそろそろ、考え方を変えていかなくてはいけないのではないでしょうか。

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