先日、相続税のご相談があったお客様にお会いしてきました。
昨年にお父様が亡くなられ、相続税の申告が必要とのことでした。 相続税の申告はもちろんですが、初めての相続ですので、遺産相続についてどのように考えればよいのかのアドバイスが欲しいとのことでした。
【自宅を誰が相続するのか?】
お客様の状況をまとめると、次のようなことでした。 ・相続人は、お客様と妹・弟の3人 ・相続財産は、お父様が生活されていたご自宅・預貯金・投資信託など ・お父様は生前、自宅はお客様の子供(お父様からみると孫)に継いでもらいたいと考えていた ・お父様は遺言書を書いていなかった
預貯金や投資信託は換金してしまえば、簡単に分けることができます。 しかしながら、ご自宅はケーキを切るように分けることはできません。 自宅の相続をどうするのか、ご家族で話し合われているとのことでした。
【孫は自宅を相続することができるのか?】
ご自宅の相続について、お父様の遺志として「孫に継がせたい」というものがあります。 ここで、お客様から次の質問がありました。
「孫は自宅を相続できるのでしょうか?」
結論から申し上げると、孫は自宅を相続することはできません。 その理由は、孫は相続人ではないためです。
孫に自宅を継がせるには、お客様が自宅を相続し、お客様の相続のときに自宅を孫が相続することが考えられます。 しかしながら、お客様は自宅を相続することに躊躇されています。 なぜ、お客様は自宅を相続することに躊躇されているのでしょうか。
【お客様の相続税の負担が重くなることが不安】
お客様がご心配されていたのは、お客様自身の相続税でした。 お父様のご自宅をお客様が相続した場合、お客様自身の財産が増えることになります。 平成27年以降、相続税の基礎控除が縮小されるため、相続税の負担がより重くなってしまいます。
そのため、お客様が自宅を相続することに躊躇されていたのです。
【お父様の遺志を継ぐことも家族の務め】
ここで税理士長嶋から次のようなお話をさせていただきました。 ・お客様の妹さん・弟さんのどちらかが自宅を相続する場合、子供さん(お父様からみた孫)が自宅を継ごうと思うと、自宅を買い取るか贈与で取得するしかない ・自宅を買い取る場合、買い取り資金をどのように準備するのか ・贈与で取得する場合、贈与税を支払う現金をどのように準備するのか ・そもそも、買い取りや贈与に応じてくれる保証はどこにもない ・お父様の遺志を継ぐことも家族の務めであると思う ・相続税の負担が大きくなったとしても、生前から相続税対策をすれば何とかなる ・お客様が土地を相続しない場合、後日に土地を取り戻すのは大きな労力が必要になる
その結果、お客様が自宅を相続することを前向きに考えるとおっしゃいました。 決め手になったのは次の3つの言葉だったそうです。 ・相続税対策をすれば、相続税の問題は後でどうにでもなる ・自宅を後日取り戻そうと思うと、相当な労力が必要 ・お父様の遺志を継ぐことも家族の務め
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