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【相続税相談】賃貸マンションの家賃保証制度(サブリース)について

  • 2008/06/10

相続税対策について、最近特に多いご相談をご紹介します。

 

 

【相談内容】

相続税対策として、不動産会社から賃貸マンションの建築を提案されています。
営業担当者から「家賃保証制度(サブリース)があるので安心です」と言われています。
本当に安心なのでしょうか?

 

 

【家賃保証制度(サブリース)とは?】

マンション管理会社が、物件全部を一括して大家さんから借りて、それを一般の方に貸して入居してもらいます。
管理会社は大家さんに、契約した期間について保証した家賃を支払います。
ただし、大家さんから管理会社へ「管理料」として、家賃の10%~15%前後を支払うことが一般的です。

 

 

【営業担当者の営業トーク例】

・家賃が保証されているので、空室になったときや家賃滞納があったときでも、安定した収入になるので安心です。
・大家さんと入居者は直接契約をしませんので、トラブルがあったときでも煩わしいことはありません。
・すべて「おまかせ」なので楽です。

営業担当者の営業トークは、確かに「家賃保証制度(サブリース)」のメリットです。
以下のデメリットと比べてもメリットがあるとお感じになられたら、家賃保証制度(サブリース)を利用されてはいかがでしょうか。

 

 

【家賃保証制度(サブリース)のデメリット】

・いつまでいくら家賃保証してくれるのか?
一般的には、「最初の10年間は家賃保証をします」という契約となっています。
そして10年後は、2年ごとに家賃を見直すという契約が多いです。

10年後の家賃はどこまで保証してくれるのか?ということです。
周辺地域の家賃相場が下がっていれば、もちろん家賃を下げられます。
その下げられた家賃について、大家さんがOKと言わなければ契約解除となります。

また、最初の10年間は家賃保証することになっていますが「特別な事情」があれば、契約内容を変更することができるケースが多いです。
つまり、最初の10年間でも「保証します」と言われた家賃が下げられることもあるということです。
特別な事情とは、「周辺地域の家賃が下がった」ということも含まれます。

先日ご相談を受けた方のケースですが、賃貸マンションが満室になっている前提でのローン返済計画となっていました。
現在満室入居の場合で、「家賃収入=ローンの返済額」というローン返済計画です。
つまり、保証された家賃が10年後下げられますと、ローンの返済ができなくなります。
相談者は、年金を受け取られる年齢の方でしたので、10年後のローン返済の不足分は「年金」からお支払いすることになります。
本当にこれでいいのでしょうか?というお話です。

営業担当者は「賃貸マンションは渋谷(東京都)に建築するので、満室にならないことはない」と言っているようです・・・
そして、10年後の家賃保証は現在の5%程度下がる計画だそうです。
相談者の方の10年後以降の生活が心配です・・・

仮に、相続になったとき、この賃貸マンションも相続財産に含まれます。
相続人となる子供さんは毎月、お給料からローン返済をしていかなければなりません。
子供にこのような「負債」を残していいものでしょうか?

 

・賃貸マンションの建築費用が「水増し」されている可能性もある?
別の方のご相談内容です。
田や畑を多数お持ちの農家の方にも、こういった賃貸マンションの建築を提案されるケースが多いです。
田や畑を「賃貸マンションにして収入を増やしましょう」という営業トークです。

ご相談者が提案を受けた地域(埼玉県)では、賃貸マンションの建設ラッシュだそうです。
「入居者募集」という「のぼり」がどの賃貸マンションにもかかっているそうです。

その入居者募集をしているのは、すべて同じ業者だそうです・・・

察するに、建築業者は「マンションを作りさえすればそれでよい」という方針が感じられます。
その建築業者はマンション管理もする業者ですので、建築業者にとっては、大家さんに保証する家賃は経費です。
この経費を建築会社が負担しないようにするにはどうすればよいか?
つまり、賃貸マンション建築費用に上乗せして、大家さんに請求すれば建築会社は損はしません。
したがいまして、賃貸マンションの建築費用が「水増し」されている可能性もあるということです。

このようなことも考えられますため、仮に賃貸マンションを建築するのでしたら、家賃保証をしない建築業者さんの見積もりを取ることをオススメします。
そうすれば、賃貸マンションの建築費用の世間相場がわかると思います。

 

 

【家賃保証制度(サブリース)は、建築業者が儲かる仕組みになっています】

建築業者は「商売」で賃貸マンションを建設するよう提案してきます。
つまり、建築業者にとって儲かる仕組みになっています。
「うまい話」は向こうからやってこないと思います。

そもそも、賃貸マンション経営は立派な「経営」です。
このような家賃保証制度に頼ることなく、きちんとお金が回る(ローン返済ができる)ようにしないといけません。
田や畑が多い地域で入居者が集まるでしょうか(立地はどうでしょうか)?
建物は魅力的なものに仕上がりそうでしょうか(品質はどうでしょうか)?

営業担当者の言葉ではなく、一般常識的に判断することが望ましいと思います。
ご自身が入居したいと思う賃貸マンションでしょうか?

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