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【老後の生活】UR賃貸住宅、高齢・低所得化 家賃値上げの現実

  • 2008/12/01

UR賃貸住宅の家賃値上げのお話が進んでいます。

 

(産経新聞12/1)
公団住宅、どうする安全網 高齢・低所得化 家賃値上げ…採算とのジレンマ

 

長嶋が受けた実際のご相談内容をご紹介します。

 

【ご相談者】

50代の方

 

 

【ご相談内容】

子供の頃からUR賃貸住宅に住んでおります。
このたび公団住宅の築年数が40年を経過するころとなりましたので、住宅の取り壊しの通告を受けました。
半年以内に今後の判断をしなければなりません、どうすれば良いのでしょうか?

 

 

【都市再生機構(UR)から提示されている条件】

(1)他の地域のUR賃貸住宅へ転居
(2)同じ敷地内のUR賃貸住宅へ転居し、建て替え工事の終了後に新築されたUR賃貸住宅に住む
(3)民間の賃貸マンションへ転居またはマイホームの購入

 

 

【数千円の家賃値上げ程度ならまだマシ・・・】

「UR賃貸住宅が古くなったので取り壊して建て替えます」という通知です。
URからは今後の選択肢として3つの条件が提示されていますが、いずれも同じ間取りに住むとすれば1.5倍程度の家賃増額となりそうです。

 

(1)他の地域のUR賃貸住宅へ転居

比較的最近建てられたUR賃貸住宅なので、家賃相場も比較的最近の市場相場が反映されています。
家賃は40年前からほとんど変わっていないので、家賃の負担は1.5倍くらいになりそうです。

 

(2)同じ敷地内のUR賃貸住宅へ転居し、建て替え工事の終了後に新築されたUR賃貸住宅に住む

同じ敷地内のUR賃貸住宅に空室があるので一時的にそちらに転居して、建て替え工事の完成を待ちます。
建て替え工事が終了後、新築されたUR賃貸住宅に住むことができます。

ご相談者は建て替え後も家賃は現状維持と思っておられましたが、新たな契約と考えられ家賃は値上げされます。
家賃は40年前からほとんど変わっていないので、家賃の負担は1.5倍くらいになりそうです。

 

(3)民間の賃貸マンションへ移転またはマイホームの購入

UR賃貸住宅から完全に退去する扱いとなります。
家賃相場は現在の相場と同じになります。
現在の家賃から比べますと、家賃の負担は1.5倍くらいになりそうです。

 

 

【一応、補助金がURから支給されるそうですが・・・】

UR賃貸住宅の建て替えについて、
(1)と(2)を選択された方→URから引っ越し費用の負担や家賃補助がある

(3)を選択された方→一切の補助はない

そうです。

 

 

【ご相談者はまだ働ける年齢なのが救いです】

ご相談者はまだ50代の方なので、これから60歳の定年まで働くことができます。
ご相談者の職場には、60歳から65歳まで再雇用の制度があるので、60歳から65歳まで収入ゼロという最悪のケースは避けられます。
ただし、60歳から65歳までのお給料は現在の半分くらいに減ることが予想されています。

 

 

【40年住み慣れた町を離れることができるのか?】

ご相談者は子供のころから40年くらいの間、ずっとそのUR賃貸住宅に住み続けておられます。
住み慣れた町をいまさら離れることはできるでしょうか?
また、職場までの通勤を考えますと他の場所に転居するのは不便となります。

家賃の増額という金銭的な問題以外に、住み慣れた町を離れることができるのか?という問題があります。

 

 

【家賃を払っていけるのか?】

60歳から65歳までお給料が現在よりも半減することが予想され、また、65歳以降は年金から家賃を払っていかなくてはなりません。
仮にマイホームを購入したとすれば、住宅ローンを年金から払い続けるのか?
そもそも、50代や60代で住宅ローンが組めるのかが問題となります・・・

非常に厳しい未来が待っていることは十分に予想されます。

 

 

【老後の生活資金は?】

老後の生活資金としては、主に次のようなものが考えられると思います。
(1)年金
(2)退職金
(3)職場の積立貯金・積立保険(財形貯蓄)
(4)個人的にかけておられる生命保険会社の個人年金

 

これらを一つ一つ試算させていただきました。

 

 

【生活費にムダがないか?】

現在の生活費にムダがないかなどお話させていただきました。
そこで生命保険の掛けすぎがありましたので、見直しを行いました。
生命保険の見直しにより、月に数万円程度のムダを省くことができました。

また、医療保険にも入りたいとご相談者はおっしゃっておられました。
現実問題、将来は年金から保険料を払っていくことになるので家計を圧迫します。
医療保険に入っておけば安心というお気持ちもわかりますが、家計が破たんしてしまっては意味がないので、そのあたりのメリット・デメリットをお話させていただきました。
最終的にどうされるかの判断はご相談者にあります。

 

 

【金銭的なアドバイスだけではありません】

住む場所、これは金銭的な問題だけで語ることはできないと思います。
ましてや、このご相談者の方にとっては子供の頃から住み慣れた町。
住み慣れた町を離れることがあれば精神的ストレスが大きいと思います。

長嶋は金銭的な問題ではなく、ご相談者がどんな生活をされたいのか?をしっかりお聞きして、ご相談者のご希望をどうすれば実現できるのか?
そのために金銭的な問題をどう解決すれば良いのか?を考えてお話させていただきました。

 

 

【最初はどうしてよいのかわからなかった】

ご相談者は、「最初はどうしてよいのかわからなかった」とおっしゃっていました。
相談後には「これからの方向性が見えて安心できました」とおっしゃってくださいました。
少しでもご相談者のお役に立てたことがとても嬉しかったです。

 

 

【民営化されたことは本当によかったのか?】

URは民営化されましたので、採算性を考えるようになりました。
住宅の供給という社会貢献性が強い事業を民営化することの弊害、今回このようなご相談を受けることで実感できました。
民営化は本当によかったのか?
それは誰にもわからないことなのかもしれません・・・

産経新聞での報道記事は、「数千円の値上げ」のお話。
建物の老朽化による建て替えの号令がされれば、数千円どころのお話ではなく相談事例のように1.5倍程度(5万円から10万円程度)の家賃増額になると予想します。
この報道の問題の本質はまだまだこれから出てくるものと個人的に考えます。
それは近い将来に必ず・・・

 


 

(産経新聞12/1 )
公団住宅、どうする安全網 高齢・低所得化 家賃値上げ…採算とのジレンマ

全国に1811団地・77万戸ある公団住宅の住民の間で、来春に予定される家賃値上げへの反対運動が起きている。首都圏の地方議会でも値上げ反対の意見書・陳情採択が相次いだ。背景には、公団住宅の住民の高齢化と低所得化があり、ひいては高齢者らの住まいについての社会的安全網「住宅セーフティーネット」のあり方をめぐる論議がある。

「年金は家賃でほとんど消えてしまう。物価も上がり、もう暮らしていけません」

東京都内の公団住宅に住む無職女性(88)はこう訴える。女性は昭和40年代から35年以上、この団地で暮らしてきた。会社員の夫と昨年死別。年金は月額約11万円なのに対し、3DKの家賃は共益費を含め7万8000円。年金から介護保険が天引きされる上、今春から後期高齢者医療制度も始まった。わずかばかりの蓄えを取り崩す日々という。

「野菜は安い午前中に買ったり、野菜ジュースを何回も分けて飲んだりしている。娘たちはそれぞれの生活があるし、頼れない。引っ越せと言われても、もう体力がない。住み慣れた家から離れたくない」

◆◇◆

築30~40年の公団住宅では今、お年寄りの姿が目立つ。大半は年金生活世帯。その多くが「このまま住み続けたい」と望む一方、「より家賃の安い都営や市営住宅に住み替えたい」という世帯も増えている。

しかし、低所得者向けの都営などの公営住宅の供給は頭打ちだ。都営の場合、平成12年度以降の新規建設はゼロだが、応募倍率は11年度の11.3倍から19年度は26.8倍に跳ね上がり、入居は容易ではない。

都内の公団住宅では、家賃を3カ月滞納した結果、公団住宅を管理する独立行政法人「都市再生機構」から立ち退き訴訟を起こされ、裁判所の強制執行で退去させられるケースも出ているという。

都市再生機構は現在、3年に1度の家賃の改定作業を進めている。都内で家賃が上がる場合、値上げ幅は数千円とされる。神奈川県議会は10月、公団住宅の家賃値上げに反対する意見書を全会一致で可決した。横浜市や千葉県船橋市、埼玉県上尾市など首都圏の10市区でも意見書や住民からの請願・陳情を採択している。

◆◇◆

国会では昨年6月、高齢者ら住宅困窮者への賃貸住宅の確保を目的とする「住宅セーフティーネット法」が議員立法で成立、翌7月に施行された。公団など公的な賃貸住宅の入居者選考に当たり、高齢者ら社会的弱者に配慮するよう定めている。

都市再生機構は11年からすでに、60歳以上を対象に、公団住宅の一部を比較的安価にしバリアフリー化した「高齢者向け優良賃貸住宅」を整備。現在約2万戸あるが、人気が高く空き部屋待ちが続いている。

しかし、都市再生機構は「小泉構造改革」の中で民営化を迫られ、民活を掲げる首相の諮問機関「規制改革会議」(議長・草刈隆郎日本郵船会長)は7月の「中間とりまとめ」で、公団住宅について「採算を無視したセーフティーネット住宅の供給を都市再生機構が行うことは慎むべきである」と難色を示した。

都市再生機構の中堅幹部は「小泉改革で独立採算制や民間賃貸住宅に合わせた家賃制度が求められ、一方でセーフティーネットとしての役割も求められる。どこへ軸足を置けばいいのか、ジレンマを抱えている」と明かす。

 

【用語解説】公団住宅

独立行政法人「都市再生機構(UR)」が管理する賃貸住宅で正式には「UR賃貸住宅」。高度経済成長時代、急増する住宅需要にあわせて「中堅勤労者」向けに建設された。都営や市営住宅などより家賃が高く、住民も大手企業の社員ら高学歴層が少なくなかったが、現在は高齢化・低所得化が進んでいる。東京23区の公団住宅の自治会でつくる協議会が9月、34団地の1万2861世帯から回答を得た調査でも、こうした傾向が裏づけられた。

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