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【相続税の申告】固定資産税の削減、相続財産の現地調査:大阪府

  • 2009/06/20

相続税の申告書の作成の依頼を受けているお客様について、先日、相続財産の現地調査のため大阪府に行ってきました。
相続財産の現地調査とは、不動産など、実際に現場を見に行くことです。

相続のお仕事がなければ、おそらく訪れることはない土地だったと思います。
このご縁に感謝します。

 

なぜ相続財産の現地調査をするのか?については、以前の長嶋ブログをご確認いただけたら幸いです。

 

 

【相続人の方のお話では駐車場のはずが、登記簿では店舗が建っています】

相続人の方のご自宅から遠く離れた場所に、駐車場があるとお聞きしていました。
しかしながら、登記簿謄本(登記事項証明書)を見ると、「店舗」が建っていることになっていました。

相続人の方のお話と登記簿謄本(登記事項証明書)の内容が合わないので、実際に現場を見に行きました。

 

 

【現場は確かに駐車場になっていました】

実際に現場に行くと、相続人の方のおっしゃるように、確かに駐車場になっていました。
コンクリートで舗装され、塀も作られている立派な駐車場です。

なぜ、登記簿謄本(登記事項証明書)には「店舗」と書かれているのでしょうか。

 

 

【建物を取り壊したことを法務局に届け出をしていなかった】

相続人の方のお話では、以前その場所にあった「店舗」を取り壊したそうです。
整地をして、5年以上前から駐車場として、その土地を利用していたそうです。
また、駐車場の収入は「不動産所得」になりますので、所得税の確定申告もされていました。

ところが、「建物を取り壊した」ことを法務局に届け出をしていなかったのです。

 

 

【固定資産税をムダに払っていることに・・・】

土地・建物に対する固定資産税は、原則として、登記簿謄本(登記事項証明書)に書かれている物について、課税されます。
「建物を取り壊した」ことを法務局に届け出をしていないので、その取り壊した建物は登記簿謄本(登記事項証明書)から消えていません。
つまり、相続人の方は、本当は払わなくてもよい固定資産税を、「建物を取り壊した」ことを法務局に届け出をしていないことで、払い続けていたことになります。

 

 

【建物を取り壊したときは、法務局に届け出ることが必要です】

「建物を取り壊した」ことを法務局に届け出ることで、登記簿謄本(登記事項証明書)からこの「店舗」は消えることになります。
つまり、相続人の方は来年から、この店舗に対する固定資産税は払わなくても良いことになります。

 

 

【過去に払い過ぎていた固定資産税は取り戻せるのか?】

過去に払い過ぎていた固定資産税はどうなるのでしょうか?

固定資産税の時効は、5年と定められています。
つまり、過去5年分の固定資産税は取り戻すことができます。

しかしながら、5年以上前から駐車場にされているので、5年を超える部分は取り戻すことができません。

この、課税の誤りについて、市町村側のミスであれば、10年や20年前など、5年を超える固定資産税を取り戻すことができます。
今回のケースは、相続人の方のミス(「建物を取り壊した」ことを法務局に届け出なかった)ので、5年分しか取り戻すことができないと思われます。

 

 

【固定資産税は、不動産を持っている限り、永久に課税されます。】

以上のようなお話を相続人の方にしたところ、「建物を取り壊したことを法務局に届け出てください」とおっしゃいました。
固定資産税は、不動産を持っている限り、永久に課税されます。
もし、毎年10万円の固定資産税の支払いがなくなれば、10年すれば100万円の税金削減になります。
相続税のように今回限りの税金ではないので、その影響は大きいと思います。

 

 

【土地家屋調査士は不動産の専門家です】

「建物を取り壊したことを法務局に届け出る」のは、土地家屋調査士の仕事になります。
いつもお世話になっている土地家屋調査士に依頼をしました。

 

土地家屋調査士は、建物や土地がどこにあって、どのような形をしているのか、を調査します。
また、測量を行い、図面の作成や不動産の表示登記を行います。
つまり、土地家屋調査士は不動産の専門家なのです。

 

以前の長嶋ブログで、「不動産鑑定士は不動産の専門家です」とご紹介しました。
不動産鑑定士は、不動産の「価値」を鑑定する専門家です。
土地家屋調査士は、土地の形や面積など、不動産の「実物そのもの」を取り扱う専門家です。

 

「建物を取り壊したことを法務局に届け出る」作業は、「登記」になります。
一般的に「登記」と言いますと、司法書士の仕事というイメージがあると思います。
司法書士の行う「登記」は、所有権などの権利関係の登記です。

一口に「登記」と言いましても、何の登記かを確認しないと、
・司法書士にお願いすればよいのか?
・土地家屋調査士にお願いすればよいのか?
が異なってきます。

 

 

【相続専門の税理士はたくさんの専門家とのネットワークを持っています】

遺産相続の手続きは、税理士一人では絶対にできません。
不動産鑑定士や土地家屋調査士に助けていただかなくてはなりません。
「相続専門の税理士」と言うためには、たくさんの専門家とのネットワークを持っていることが、最低条件だと言えると思います。

 

 

【相続財産の現地調査をしたことで、固定資産税の削減につながりました】

相続財産の現地調査をしたことで、固定資産税の削減につながりました。

もし、相続人の方のお話をよく聞くこともせず、現場も見ずに登記簿謄本(登記事項証明書)だけを信じて相続税の申告書を作成しますと、
・取り壊された店舗が相続財産に含められている→余分な相続税を払う
・固定資産税の払いすぎがわからなかった→相続人の方は永久に固定資産税を払う
結果になります。

現場を見ることで、余分な相続税を払わないだけでなく、余分な固定資産税を払うこともなくなりました。

これから固定資産税を払わなくてもよくなっただけでなく、過去5年分の税金も戻ってくる可能性があります。
相続人の方には、大変喜んでいただくことができました。

相続財産の現地調査は、非常に重要なことであることがご理解いただけたことと思います。

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