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相続財産15億円申告漏れ リヒテンシュタインで運用【遺産相続税相談室】

  • 2010/11/08

学校法人の帝京大学元総長の遺族が、東京国税局から申告漏れを指摘されました。
申告漏れが指摘されたのは、リヒテンシュタインの銀行で運用されていた金融資産約15億円。

 

(日本経済新聞11/4)
帝京大元総長の遺族、15億円申告漏れ リヒテンシュタインで運用

学校法人の帝京大学(東京)の冲永荘一元総長が2008年に死亡した際、リヒテンシュタインの銀行で運用していた金融資産約15億円を相続財産として申告していなかったとして、息子の佳史理事長ら遺族が東京国税局から申告漏れを指摘されていたことが3日、分かった。
過少申告加算税を含め、追徴税額は約4億円とみられる。

リヒテンシュタインはタックスヘイブン(租税回避地)と指摘されるが、09年ごろにドイツ当局から国税庁に元総長の口座についての情報提供があり、同国税局が調査を進めていたという。
冲永元総長は08年9月に75歳で死去。遺族は国内資産などは相続財産として申告したが、この金融資産の存在を把握していなかったとされ、同国税局も意図的な隠ぺいはなかったと判断したもようだ。

冲永元総長が口座を所有していたリヒテンシュタインの銀行をめぐっては、元行員が盗み出した顧客情報をドイツの情報機関が500万ユーロ(当時約8億円)で入手。
この情報を基にドイツでは脱税の摘発が進み、米国など各国の税務当局も調査を始めているという。

 


 

【日本の国税庁はいくらでこの情報を購入したのか?】

市民感覚として、ドイツ政府が8億円を出して購入した情報を、他人(日本)に無料で提供するとは思えません。
日本の国税庁は、ドイツ政府にいくら出してこの情報を購入したのか、気になるところです。

 

 

【スイスでも顧客情報の流出が近年多発】

リヒテンシュタインは、銀行の顧客情報について「守秘義務」の立場を取る国ですが、同様の「守秘義務」を持つ国として知られているのがスイスです。
このスイスでも近年、銀行の顧客情報が流出しています。

 

(1)HSBCプライベート銀行の顧客情報2万4000人分がフランスに流出

2010年3月11日、HSBCプライベート銀行は、フランス当局に持ち込まれた顧客情報は2万4000人分であったと発表しました。

事の起こりは、2008年に顧客情報の流出の疑いで元行員に対して、スイス連邦警察が捜査をしていましたが、元行員はフランスに逃亡。
顧客情報がフランス当局に持ち込まれました。

その後、スイス政府とフランス政府との間で交渉が行われ、フランス政府は顧客情報をスイスに引き渡しました。

スイス政府は、HSBCプライベート銀行に対して、この流出した顧客情報は外国から問い合わせがあっても利用されることはないことを保証しています。
フランス政府は、スイス政府に対して、流出した顧客情報を使ってスイスに捜査協力を求めず、第三国からの問い合わせについてもスイスの許可なく情報を公開することはないことを保証しています。

 

(2)スイスの銀行から流出した1500人分の顧客情報をドイツが買い取り

2010年2月、スイスの銀行から、ドイツ人を中心として1500人分の顧客情報がドイツに持ち込まれました。

ドイツ政府はスイス政府に対して、この情報を買い取って良いかどうか、お伺いを立てました。
ドイツ国内では、非合法に入手された顧客情報を買い取ることの是非が問われています。
しかし、ドイツ政府はリヒテンシュタインの顧客情報の買い取りと同じ対応を考えており、買い取りに前向きです。

この顧客情報のデータが流出した銀行は明らかになっていません。
しかし、2009年12月、ジュネーブのHSBC支店の顧客情報に盗難の疑いがあるとして、スイス当局により調査が行われています。

スイス政府は、ドイツに流出した顧客情報はHSBCから盗難の疑いがある情報と同じかどうかについて、明らかではないと述べています。
また、HSBCにおいても、コメントを避けています。

 

 

【スイスの顧客情報流出は、行員のモラルの問題】

スイスから大量の顧客情報が流出した理由、それは行員のモラルの問題であると考えます。
スイス政府の方針として、銀行の守秘義務を守り続けることを改めて示しています。

 

 

【なぜ、これほど大量の顧客情報が流出したのか?】

「スイスの銀行は匿名口座(ナンバーアカウント)を使用しており、銀行内でさえ預金口座の名義人を知る者は一部の者だけである」

日本には、このような「神話」が「まだ」語り継がれています。
残念ながら、このような神話は必ずしもそうではありません。

正しくは、スイスには匿名口座はなく、銀行は預金口座の名義人を正しく把握しなければなりません。
しかし、顧客情報は守らなければなりません。

 

HSBCプライベート銀行の顧客情報をフランス当局へ持ち込んだのは、システム開発部門の元行員です。
すなわち、銀行では顧客情報をシステムにより管理しています。
システムで管理されているため、一度に短時間で大量に顧客情報が流出します。

 

 

【参考ブログ】

・【遺産相続税相談】スイスのプライベートバンクの守秘義務(2010/04/01)

・スイス銀行(プライベートバンク)口座開設

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