


先日、遺言書や遺産相続のご相談があったお客様へ、いつもお世話になっている弁護士さんをご紹介しました。
ご紹介したのは、「遺言書を作成したい」というご要望があったためです。
【お客様の事情を考えると、弁護士さんが遺言書を作成されるのがベスト】
お客様と初めてお会いしたのは、半年ほど前です。
それから、お客様と定期的にお話をして、詳しい事情をお聞きしておりました。
その後、お客様の生活環境がご相談当時とは大きく変わってしまいました。
このようなことから、遺言書作成のため、弁護士さんのご紹介に至りました。
遺言書を作成することを仕事としている専門家は、弁護士・司法書士・行政書士です。
お客様のご事情を詳しくお聞きしていたので、今後のことを考えますと、弁護士さんが遺言書を作成されるのがベストであると長嶋は判断しました。
【遺言書や遺産相続は、人の想いがわかる人間でないと取り扱ってはいけない】
遺言書や遺産相続は、「人」の「想い」に触れる非常にデリケートな場面です。
デリケートな場面だからこそ、人の想いがわかる人間でないと取り扱ってはいけないと、個人的に思っています。
遺言書を作成する多くの方にとりまして、遺言書を作成するのは一生に一度のことです。
一生に一度の「想い」を「事務作業」として行ってしまっては、人の「想い」を軽く扱ってしまうのと同じことになると思います。
人の想いがわかることももちろんですが、人間なので「相性」というものがあります。
つまり、遺言書を作成される方と遺言書を作成する専門家(今回は弁護士さん)の相性です。
長嶋はお客様との面談の中で、お客様の価値観や好みを理解していますので、お客様と合いそうな専門家をご紹介するようにしています。
このようなことから、こちらのお客様にも「なぜこの弁護士さんをご紹介したのか?」をご説明したところ、よくご理解をいただきました。
【お客様お一人お一人を大切に】
お客様から「良い弁護士さんをご紹介いただきありがとうございます」と、嬉しいお言葉をいただきました。
長嶋は今後も、お客様お一人お一人の「想い」を最も大切にしていきたいと思います。
【参考ブログ】
・【遺産相続税相談】遺言書通りにならない「遺留分」のご相談(2010/06/09)
・【遺産相続税相談】公正証書遺言よりも、自筆証書遺言の方が最適です(2010/06/21)
・【遺言書・遺産相続】マイケル・ジャクソンさんの遺言書・遺産相続プラン(2010/07/03)
長嶋は、近畿税理士会に所属をしています。
近畿税理士会では、税理士の社会貢献活動の一つとして「成年後見制度」に参画しています。
家庭裁判所から近畿税理士会へ、成年後見人の推薦依頼が増加しており、近畿税理士会として成年後見人として相応しい人材を育成するため、研修が行われています。
先日、この研修に参加してきました。
【多数の専門家による講演】
研修は、2日間、合計11時間の講演となりました。
・家庭裁判所
・大学教授
・社会福祉士
・司法書士
など、成年後見に関する各界第一人者として活躍されている方々が講演されました。
【成年後見制度と介護保険制度は車の両輪】
講演の内容は、
・成年後見制度の実態
・成年後見制度の現状と課題
・諸外国の成年後見制度の動き
などが、中心となりました。
長嶋が一番印象に残っているのが、介護保険制度です。
成年後見制度と介護保険制度は分けて考えるものではなく、車の両輪の関係であるということです。
一見、別々の制度なので関係ないようにも見えますが、お互いの存在があってこそ意義があるということが、とても勉強になりました。
【家庭裁判所へ推薦されることも】
今回の研修を修了した税理士が、一定の条件を満たす場合には、家庭裁判所から近畿税理士会へ成年後見人の推薦依頼があったとき、家庭裁判所へ推薦される可能性があります。
社会貢献の一環として、成年後見制度に関わることも検討していきたいと思っています。
【参考ブログ】
・【遺産相続税相談】相続人が認知症のときは成年後見人が必要です(2009/07/18)
・成年後見人が必要な遺産相続の手続きが終わりました【遺産相続税相談】(2009/12/21)
・【遺産相続税相談】介護付有料老人ホームにて遺産相続に関するご相談(2010/01/26)
・【遺産相続税相談】介護付有料老人ホームからのご紹介による遺産相続のご相談(2010/02/04)
このほど、国税庁より平成21年度の物納申請状況等が公表 されました。
【平成21年度に物納申請が認められた割合は約93%】
平成21年度に、
・物納申請が認められた件数=711件
・物納申請が認められなかった件数=54件
・合計765件
です。
他に、物納申請をしたが相続人の意思で申請を取り下げた件数=149件
あります。
上記のことから、実質的に、物納申請をして物納が認められた割合は、711件/765件=92.9%となることが読み取れます。
つまり、物納申請をすれば、90%以上の確率で認められていることがわかります。
【物納申請件数は大幅に減少】
物納申請件数は、平成4年から平成6年にかけて、1万件を超えておりました。
これをピークにその後減少し、平成18年度の相続税法に関する税制改正にて、物納をするための条件が厳しくなり、平成19年度においては平成以降最も少ない383件となりました。
【平成18年度税制改正にて物納申請が厳格化】
平成18年度の相続税法に関する税制改正にて、物納をするための条件が厳格化されました。
具体的には、
・物納には適さない財産を明確化
・物納の審査期間の法定化
がされたことです。
法整備をすることにより、
・物納手続きの円滑化
・物納手続きの迅速化
が図られることになりました。
平成18年度以降、昔のように簡単に物納をすることができなくなっています。
物納申請をするときは、事前に準備が必要となりますのでご注意ください。
しかし、物納申請さえできれば、90%以上の確率で認められていることも事実です。
物納制度の大きなメリットを考えますと、物納制度を利用できるのであれば、大いに活用すべきだと思います。
【物納とは】
税金は、現金で納めることが原則です。
しかし、相続税に限って、延納(税金の分割払い)をしても現金で納めることが難しい場合には、相続人の申請により、相続税を「物」で納めることが認められています。
7月7日付のブログで、「年金保険の相続税と所得税の二重課税は違法:最高裁判決」という記事 を書いております。
このほど、国税庁より今後の対応について、コメントが出されております。
遺族が年金形式で受け取る生命保険金に対する所得税の課税の取消しについて(国税庁)
【なぜ、贈与税と所得税の二重課税の可能性は議論されないのか?】
7月6日の最高裁の判決以降、この事案について多くの報道がされています。
その報道では、今回の裁判の争点であった「相続税と所得税の二重課税」について、年金保険以外の相続税と所得税の二重課税の可能性についての議論がされています。
例えば、
・学資保険
・個人年金
・定期預金の利子
などです。
長嶋個人的に思うのですが、なぜ、贈与税と所得税の二重課税の可能性の議論がなされないのでしょうか。
この裁判で争点になったのは、所得税法9条(非課税所得)です。
「相続、遺贈又は個人からの贈与により取得するもの」には、所得税を課税しないという点です。
贈与税と所得税の二重課税についての事例もありますので、検討をする必要があると思います。
【住民税や国民健康保険料にも影響】
年金保険の相続税と所得税の二重課税が違法と判断されたことにより、次のものにも影響が出てきます。
・住民税
・国民健康保険料
住民税は、所得税の所得をベースに課税されることになっています。
受け取った年金保険が、所得税の対象外となれば、住民税も減ることになります。
つまり、住民税も還付される可能性が高いことになります。
また、国民健康保険料は、住民税を基準に計算されることもあります。
住民税が減ることになれば、国民健康保険料も減ることになります。
つまり、国民健康保険料も還付される可能性が高いことになります。
さらに、
・介護サービスの負担割合
・医療費の窓口負担の割合
が下がる可能性があり、相続税や所得税などの「税金」だけではなく、日常生活にも影響が出てくる可能性があります。
先日、ハワイの不動産セミナーに参加してきました。
主な内容は次のようなものでした。
・今、なぜハワイなのか
・リーマンショック以後の、ハワイの不動産事情
・今後の、ハワイ不動産の見通し
ハワイの不動産に投資をすることについて、メリットなどの基本的な考え方についてはよく理解をしていますので、ハワイの不動産について、現在の状況や将来の見通しについて、参考になるべき点が多いセミナーでした。
参考になったのは、主に次の2点です。
・中国の経済発展が、ハワイにも好影響をもたらす
・ハワイにディズニーリゾートが開業する
【中国の経済発展が、ハワイにも好影響をもたらす】
中国の経済発展が、ハワイにも好影響をもたらす。
説明を聞き、自分なりに情報を整理してみると、「なるほど」とよく理解できました。
中国の影響力が、いろんな方面で今後ますます大きくなることを実感しました。
【ハワイにディズニーリゾートが開業する】
「ハワイにディズニーリゾートが開業する」というお話を初めて聞きました。
東京ディズニーランドのように、遊園地のようなテーマパークは造られないようで、ホテル&スパの施設になるそうです。
開業は2011年秋を予定。
ハワイとディズニーが好きな方にとりましては、大変魅力的な施設になりそうです。
【情報を取り続けることの大切さ】
最近、遺産相続や相続税に関する専門的な知識を習得するためのセミナーには参加していましたが、「ハワイの不動産」のような知識の詰め込み型ではないセミナーに参加したのは今年初めてでした。
何事も視野を広く、そして情報を取り続けることの大切さを実感しました。
結婚をしていない男女の間に生まれた「非嫡出子」の遺産相続分を「嫡出子」の2分の1と定めた民法の規定が見直される可能性が出てきました。
(7/9:毎日新聞)
<非嫡出子相続格差>大法廷で憲法判断へ 見直しも…最高裁
結婚をしていない男女の間に生まれた「非嫡出子」の遺産相続分を「嫡出子」の2分の1と定めた民法の規定が、法の下の平等を保障した憲法に反するかが争われた家事審判で、最高裁第3小法廷(那須弘平裁判長)は7日付で、審理を大法廷(裁判長・竹崎博允長官)に回付した。
規定を合憲とした95年の大法廷判例が見直される可能性があり、判断が注目される。
民法900条4号には「嫡出でない子の相続分は嫡出子の相続分の2分の1とする」との規定がある。
大法廷は95年に合憲判断を示したが、15人の裁判官のうち5人が「違憲」と反対意見を述べていた。
その後も、小法廷が5回にわたって同様の判断を示しているが、賛否は毎回対立。
昨年9月の第2小法廷決定でも、4人のうち1人が反対意見を述べ、合憲とした1人も法改正を求めるなど、わずかな差で合憲判断が維持されてきた。
今回の審判は、和歌山県の嫡出子の女性が非嫡出子の弟との遺産分割を申し立て、和歌山家裁、大阪高裁とも弟の相続分を姉の2分の1としたため、弟側が特別抗告した。
違憲判断が出た場合、法律婚を尊重する現行法制度に大きな影響を与えることになる。
裁判所法や最高裁の規定によると、新たな憲法判断や判例変更の必要がある場合のほか、小法廷の裁判官の意見が同数で分かれたようなケースでは、審理が大法廷に回付される。
【伊藤一郎】
◇背景に家族や結婚に対する国民意識の変化
結婚していない男女間に生まれた「非嫡出子」の相続差別を巡る問題が、15年ぶりに大法廷で審理されることになった。
背景には、家族や結婚に対する国民意識の変化があるとみられる。
95年の大法廷決定は「民法が法律婚主義を採用している以上、規定には合理的根拠があり、立法府の裁量の限界を超えていない」と理由を述べている。
だが、決定前には地裁や高裁で違憲判断が相次ぎ、当時から「時代に逆行している」との批判があった。
その後の小法廷の合憲判断でも「社会事情や国民感情は大きく変動しており、立法当時は存在した差別を正当化する理由は失われたのではないか」との意見が表明された。
国の世論調査によると、規定について「現在の制度を変えない方がよい」と答えた人は49%(94年)から41%(06年)に減少。
「非嫡出子という理由で不利益な取り扱いをすべきでない」は55%(96年)から58%(06年)に微増した。
法相の諮問機関・法制審議会は、96年に相続差別の解消や選択的夫婦別姓を盛り込んだ民法改正案を答申したが、一部議員に反対が強く、法案の国会提出は見送られた。
千葉景子法相も同じ法案の国会提出を目指したが、閣内にも反発があり実現しなかった。
立法による解決が進まない現状を踏まえ、司法による救済を求める声も上がっている。
価値観が多様化する中、規定の合憲性をどう考えるのか。
15人の最高裁の裁判官たちが、くすぶり続けてきた意見対立に決着を付けることになる。
【伊藤一郎】
7月6日、年金払い型の生命保険に相続税と所得税の両方を課税するのは違法であるとして、最高裁の判決が出されました。
この裁判は、平成18年11月7日に長崎地裁からスタートしており、相続関係者の間では密かに注目されていた事案です。
(毎日新聞7/6)
年金型生保 相続税と所得税 二重課税は違法 国側が敗訴
亡夫が加入していた年金払い型の生命保険に相続税と所得税の両方を課すのは違法として、長崎市の女性(49)が所得税の課税処分取り消しを求めた訴訟で、最高裁第3小法廷(那須弘平裁判長)は6日、「違法な二重課税に当たる」との初判断を示し、原告の請求を認める判決を言い渡した。
大手生保1社当たり毎年数千人の遺族が所得税を徴収されているとされ、国側の逆転敗訴が確定したことで、還付請求の動きが広がるなど大きな影響を与えそうだ。
国税当局は1960年代前半以降、遺族が年金払い型の保険金を受け取る際、保険金の総額(年金受給権)の2~7割(受給期間によって異なる)を相続財産とみなして相続税を課税するのに加え、毎年の支払い分にも所得税を課してきた。
女性は夫が死亡した02年、毎年230万円を10年間にわたって年金形式で受け取る権利を取得。
1回目の年金を受け取った際に、保険会社に約22万円を源泉徴収された。
03年に10年分の総額2300万円の6割を相続財産として申告し、源泉徴収分の還付を求めたが認められなかったため、課税処分取り消しを求めて提訴した。
国税側は「年金受給権と毎年支払われる保険金は法的には異なる財産であり、双方に税金を課せる」と主張したが、小法廷は「同一の経済的価値に対する二重課税は認められない」としたうえで「原告は国税当局に所得税の還付を求めることができる」と述べた。
一方、年金払い型は一括払いより総額が増える。
判決は、相続税の課税対象にならなかった4割分については「将来の運用益」とみなせると判断し、女性が還付を求めた1年目は運用益がないため非課税としたが、2年目以降は段階的に所得税が発生するとした。
1審の長崎地裁判決(06年)は「二重課税で許されない」と請求を認めたが、2審の福岡高裁判決(07年)で逆転敗訴したため、女性側が上告していた。
扶養控除などの適用により、女性に還付される1年目の所得税は2万5600円になる。
【伊藤一郎】
◇年金払い型生命保険
保険料を負担した被保険者が死亡した場合に、遺族が保険金を受け取る死亡保険のうち、遺族が年金払いの受給方式を選べる特約を付けた保険商品。
広い意味での「私的年金」に含まれるとされる。
一括払いの受給を選択した場合、受給総額が減る代わりに所得税が課されないため、税務上の不公平を指摘する声があった。
国民年金や厚生年金など国が給付する「公的年金」の受給権を遺族が取得した場合は相続税も所得税も課されないため、今回のような問題は生じない。
国税庁は7月1日、相続税や贈与税の算定基準となる平成22年分の路線価を公表しました。
日本経済の景気低迷の影響から、最高路線価が上昇した都道府県庁所在都市は2年連続でゼロとなり、東京圏の下落が最大となったようです。
平成22年分の路線価は、前年より1万地点多い、約38万地点が評価の対象とされました。
(時事通信7/1)
路線価、マイナス8.0%=2年連続、下落率は拡大―東京が全国で最大・国税庁
国税庁は1日、相続税や贈与税の算定基準となる2010年分の路線価(1月1日現在)を公表した。
全国約38万地点の標準宅地の平均路線価は、3年連続の上昇から下落に転じた昨年に続き、今年も下落。
主要都市での低調な土地需要を反映し、1平方メートル当たり12万6000円で、下落率も2.5ポイント拡大しマイナス8.0%となった。
統計を取り始めた1992年以降、下落率の最高は93年の18.1%だが、最近では97年の8.3%以来の大きさ。
圏域別では、東京圏で9.7%、大阪圏で8.3%、名古屋圏で7.6%のマイナス。
地方圏でも5.9%減で、主要都市での下落が鮮明となった。
都道府県別の平均路線価は、東京が55万5000円と最も高く、次いで大阪府の17万4000円、神奈川県の16万6000円の順。
最も低かったのは山形県の2万8000円だった。
全都道府県で前年に引き続き下落し、下落率も拡大した。
東京の落ち込みが最もひどく、11.3%のマイナス。これを含め5%以上は23都道府県(前年9 都道県)、5%未満は24県(同38府県)となった。
下落率が縮小したのは青森、岩手、佐賀、鹿児島、沖縄の5県で、同率だったのは福島、茨城、新潟、三重、滋賀、宮崎の6県だった。
都道府県庁所在都市の最高路線価でも上昇した都市はなく、横ばいとなったのが前年の8都市から2都市に減少。
千葉、横浜、甲府の3都市で下落率が縮小したものの、鹿児島が同率のほか、41都市で拡大した。
路線価が最も高かったのは、25年連続で日本一となる東京・銀座5丁目の文具店「鳩居堂」前の路線で1平方メートル当たり800万円減の2320万円だった。
【資産を守るということも重要】
相続税の節税だけでなく、
・ご自身が苦労されて築き上げた資産
・ご先祖様から相続した資産
の価値を減らさない、つまり、「資産を守る」ということも重要だと思います。
相続税の節税も、支払う税金を少なくすることで残る資産が多くなるという意味では、「資産を守る」ことと同じです。
「資産の価値」という点にもぜひ、着目していただきたいと思います。
マイケル・ジャクソンさんが突然この世を去ってから、1年が過ぎました。
彼ほどの有名人になりますと、遺産について取り巻く人間関係が非常に複雑になるものです。
彼は、彼自身が置かれている状況を十分に理解し、生前に優秀な弁護士などを利用して、彼自身に万が一のことがあったときのために、遺産相続プランを準備していたことは、賢明なことでした。
しかし、大変残念なことではありますが、彼の作ったトラストのうち、中心的な位置づけとなるトラストの書類が、今年になり何者かの手によってメディアに公開されてしまいました。
このことにより、世界中の人々が、彼が家族の誰を大切に思っているのかなどを知ることになりました。
彼は、中心的な位置づけとなるトラスト以外にも多くのトラストを作っていますが、その内容は保護されています。
※昨年7月1日に、ロサンゼルスの裁判所に遺言書が提出され、その前文が明らかになっています。
今年になりメディアに公開されたのは、彼の遺産が与えられたトラストの書類です。
結果的に、彼のプライバシーは守られませんでしたが、トラストによって、彼の意思の通りに彼の遺産は譲渡され運営されていくことは、確かなことです。
【マイケル・ジャクソンさんの遺産相続プラン】
彼の遺産は、トラストによって、次のような方針をポイントとして運営されます。
(1)遺産のうち20%は、
・彼の母親キャサリン・ジャクソン
・共同受託者であるジョン・ブランカ(彼の弁護士)とジョン・マクレーン(彼の友人の音楽関係者)
が選ぶ慈善活動へ寄付すること
(2)その後、遺産税(アメリカの相続税)などを支払い、
・残った遺産のうち50%を、彼の子供3人に平等に
・残りの50%の遺産は、彼の母親に
分配します。
(3)彼の母親に分配される遺産は、彼女のためのトラストに管理し、共同受託者が運営します。
もし、彼女が死亡した場合、遺産の残額は、マイケルの子供3人に平等に分配されます。
(4)彼の子供3人に分配される遺産は、子供用に作ったトラストに管理され、共同受託者が運営します。
彼の子供が21歳になったとき、トラストの収益は、すべて彼の子供に分配されます。
もし、彼の子供が一般な生活をすることや教育を受けることについて、トラストからの収入では不足をすると共同受託者が判断したときにのみ、遺産である元本を分配します。
彼の子供は、30歳までに、遺産である元本の1/3を受け取ります。
また、35歳までに、遺産である元本の1/2を受け取ります。
そして、残りの遺産である元本は、40歳のときに受け取ります。
共同受託者が必要であると判断したときは、共同受託者には、それ以上に分配できる権限が与えられています。
(5)もし、マイケルの母親や子供たちが、彼よりも早く死亡したときは、慈善活動へ寄付する20%以外は、
・マイケルの3人の従兄弟
・マイケルの甥
たちに、上記の子供たちへのプランと同じように分配されます。
(6)共同受託者が義務を果たせないときは、「バンク・オブ・アメリカ」を受託者として指定します。
ただし、現在の共同受託者は実際に運営しているため、現在の共同受託者に万が一のことがあったときは、自分たちを引き継ぐ受託者を指名することができます。
【彼の肉体はこの世に存在しませんが、彼の意思と想いはこの世に生き続けています】
マイケル自身の肉体は、もうこの世に存在しません。
しかしながら、上記のような遺産相続プランにより、
・彼の意思
・彼が愛する者への想い
は、今こうしてこの世に生き続けています。
彼の意思や愛する者への想い、そして遺産は、遺産が与えられたトラストによって、彼が愛する大切な家族へ、彼の希望通りに引き継がれていきます。
【彼の遺産相続プランは、特別なものではなく一般的なもの】
彼のような遺産相続プランは、アメリカでは特別なものではなく、一般的に作成されるものです。
専門家の目から見ましても、基本的な遺産相続プランの一つとなります。
特に、アメリカに資産をお持ちの方は、このような遺産相続プランを作っておくことが大切です。
【アメリカの永住権やグリーンカード(green card)をお持ちの方は、遺言書は特に重要】
アメリカの永住権やグリーンカード(green card)をお持ちの方が亡くなった場合、遺言書のある・なしで、その手続きが大きく異なります。
<遺言書がない場合>
アメリカの裁判所が、遺産の管理を行う相続代理人を指名します。
アメリカの州法に基づいて、誰がどの遺産を受け取るのかの命令を下します。
最終的に、遺産は法定相続人に分配されますが、裁判所の手続きは1~2年、あるいはそれ以上の期間が必要となります。
遺産が1年以上も凍結されてしまいますので、アメリカの遺産税(相続税)の納税が困難になることも予想されます。
また、1年以上の期間が必要なため、弁護士費用も高くなります。
そして、裁判所がこのような遺産の処理を行いますと、遺産の内容が一般に公開されますので、プライバシーが守られません。
<遺言書がある場合>
遺言書があると、早ければ6ヶ月ほどで遺産相続の手続きは終了します。
遺言書がない場合に比べて、手続きの手間暇や弁護士費用について、有利になると言えます。
遺言書の内容は公開されてしまいますが、遺言書に書かれていないことは公開されませんので、プライバシーが守られるのが一番のメリットではないでしょうか。
【アメリカ・日本関係なく、遺言書は大切なもの】
アメリカでは、遺言書のある・なしで、遺産相続の手続きが大きく異なります。
そのため、アメリカでは、遺言書を作成することが一般的です。
その反面、日本では、遺言書がある・なしにより、遺産相続の手続きが大きく異なることはありません。
しかしながら、日本においても、マイケルのような遺産相続のプランを作成しておくことで、この世から肉体がなくなったとしても、
・あなたの意思
・あなたが愛する者への想い
は、確実にこの世に生き続けることができます。
【遺言書の作り方が最も重要】
遺言書は「作成さえすれば安心」というわけではありません。
最近、いつもお世話になっている遺産相続を専門とする司法書士や行政書士からよく聞くお話ですが、遺言書の内容に大きな問題があります。
例えば、兄弟が3人おられるので、「平等に1/3ずつ相続させる」などの遺言書を良く目にするそうです。
つまり、ご自宅の土地・建物も1/3ずつ仲良く共有になってしまっている遺言書です。
また、日本独特の権利として「遺留分」というものがありますが、遺留分を侵害している遺言書も散見されます。
このような遺言書を作成してしまいますと、「相続争い」の原因を作ることになります。
このような遺言書を作成するのであれば、作成しない方がまだマシです。
遺言書を作成される場合、然るべき専門家にご相談されることをお勧めします。
【相続税(遺産税)を減らしながら、遺産を次世代へ】
遺産相続プランを作成することで、
・あなたの意思
・あなたが愛する者への想い
は、確実にこの世に生き続けることができます。
さらに、相続税(遺産税)を減らしながら、遺産を次世代へ引き継いでいくことも重要な点です。
以下、アメリカの有名人公用遺言記録から抜粋します。
| 氏名 | 遺産総額 | 遺産処分費(遺産税など) | 正味遺産額 |
減額率 |
| ヘンリー・J・カイザー | 559万ドル | 248万ドル | 310万ドル | 44% |
| ヘンリー・J・カイザー・ジュニア | 5591万ドル | 103万ドル | 5487万ドル | 2% |
| ジョン・D・ロックフェラー | 2690万ドル | 1712万ドル | 978万ドル | 64% |
| ジョン・D・ロックフェラー・ジュニア | 16059万ドル | 2496万ドル | 13560万ドル | 16% |
| エルビス・プレスビー | 1016万ドル | 737万ドル | 279万ドル | 73% |
表を見ていただきますと、カイザー家とロックフェラー家は、2代目の遺産税(相続税)の負担割合が大きく下がっています。
先代の遺産税(相続税)の負担の大きさを体感し、自身は適切な遺産相続プランを作成されたものと想像できます。
その反面、適切な遺産相続プランを作成していなかったと想像できるのが、エルビス・プレスビーさんです。
遺産税(相続税)として73%を国に支払い、次世代に引き継がれたのは、わずか27%にしかすぎません。
相続税(遺産税)の負担を減らしながら、適切な遺産相続プランを作成する重要性を、過去の有名人も大いに理解していたことがわかります。
これは、アメリカに限らず、日本でも同じことが言えるのではないでしょうか。
【参考ブログ】
・【アメリカ相続税(遺産税)】グリーンカード(green card)保持者からの遺産相続のご相談(2009/10/26)
